企業や団体などの職場では、ピラミッド型の組織ができあがっていることが一般的である。社長や代表者を頂点に、役員や上級管理職、中間管理職、初級管理職、一般社員と序列が下がるに連れて人数が増えるものだ。そこには、当然ながら上司と部下の関係が生まれる。上司は配下に複数の構成員を抱えているため、特定の部下とだけ人間関係を築くわけにはいかない。しかし、部下の側から見た場合、直属の上長と懇意になれれば仕事も出世も上手く行くと考える者が出てきても不思議ではないし、そういうタイプの人間はどこにでもいる。そこで生じるのが、部下同士の争いである。
上に立つ者は、自分のセクションでこのような争いが起こらないように気を配ってはいるが、すべてを抑えることは難しいだろう。ここで注意すべきは、部下としての自分にその気がなくても、同僚がライバル心をむき出しにしてくる場合があることだ。お互いに切磋琢磨する関係なら申し分はないが、向こうが足を引っ張ってやろうと考えたときが危険だ。たとえば、相手のミスを押し付けられるとか、見に覚えのない悪評を上司に吹き込まれるとかだ。普段から上司とうまくコミュニケーションが取れていれば、そのような話で評価を下げられることはないかも知れない。しかし、業務上の必要事項程度しか話さない関係であれば、疑いの目を向けられないとも限らないだろう。そこで働き続けたいのなら、上司の特徴を知って人間関係を深めていくことは有効な技の一つなのだ。